2023年は乳がんになり、あれよあれよという間に手術と治療が始まり、想像もしていなかった毎日を過ごすことになりました。
告知から7カ月。その間に乳がんの手術を行い、化学療法が開始しました。治療はまだ途中で、これから先も続きますが、現在思うことをまとめてみました。
▽INDEX
生活のこと
実は3年ほど前に、子宮頚管に異形成前状態の初期細胞が見つかり、2年ほど経過観察中でした。なので病についての意識はしていましたが、まさか「ホンモノのがん」になるなんて1mmも思いませんでした。しかもお胸。
乳がんの疑いが発生した瞬間、その日を境に生活が一変しました。診断・告知・入院・手術・治療の話がどんどん進んでいきます。
通院したり、医師の話を聞いたり、保険の申請をしたり、仕事の引継ぎをしたりと日々は進みますが、罹患前の生活とは比べ物にならない情報量で、脳がパンクしそうに。
罹患前は、家庭と仕事に脳の容量を割いていれば済みましたからね…。そこに病気のことがどかんと乗っかり、最優先事項として進行するので、気持ちも全くついていかず、事象と感情のすり合わせに苦労しました。
そしてこれは、生活面で困ったこと。
がんになっても、抗がん剤投与中で副作用が出ていても、通院治療&在宅療養の限りは自分で家事育児を切り盛りせねばならないこと…。
何ならしゃもががんサバイバーということを、夫はちょっと忘れてる時がありそう。副作用期間中に、夫が朝から晩まで仕事や付き合いに出たりするのは、日を追うごとに当たり前になっていってました。
若い年齢での罹患だと特に、子育てや仕事との両立が大きな課題です。けれどがんは罹患する人が多い病気なのに、がん患者に特化した子育て支援や就労支援の政策はほぼ見当たりません。
保険に加入するなど自主申請することが唯一のフォロー策かもしれませんが、治療中の不足リソースの解決という意味では保険はカバーできません。ここは妊娠出産&産後の子育て期にも似た課題が常にあるので、なかなか解決しづらい種類のものだとは思いますけれど…。
仕事のこと
もともと在宅で仕事をしていたので、がんになった後も通勤負担などはありませんが、仕事との付き合い方は以下のように変わりました。
- 手術や治療のタイミングでは1ヵ月~3か月程度ずつ「休職扱い
- 状況により一次復帰は行うが、通院や体調不良で以前の50%程度しか就労できない状況
- 担当業務はすべて、スケジュールなどの調整がしやすい社内向け案件に変更
もともとはすべて社外向け案件を担当しており、事業やプロジェクトの立案などを手掛けるポジションでした。けれどお客様にご迷惑はかけられないので、罹患後は担当をすべて外れることに。これが想像以上にダメージが大きかったんです。
治療のために仕方のないことだと理解していても、自己喪失感や無力感が大きく…。思うように働けなくなったことは、しゃもにとっては、事実上の戦力外通告をされたことと同じでした。
ワーカホリックに生きてきたぶん、仕事で価値を発揮できない罪悪感や、社会から切り離された孤独さにずっと苛まれています。
メンタルのこと
40歳を越してから、だんだん、新しいことにチャレンジしにくくなりました。そもそもエンジンがかからなかったり、初めても長続きしなかったり。
がんになったことで、その傾向に拍車がかかった気もします。通院以外には、自主的に外出する気持ちにもなかなかなれず、引きこもりがちです。
特に抗がん剤治療中は脱毛や肌・爪の変色などで外見に影響が出るのに、免疫力が下がるため美容やセルフケアの禁止事項が多かったことも気持ちを大きく下げる要因でした。人に見られたくない、会いたくないと思うようになっていました。
体調不良や発熱のため、行動を起こす気持ちにもなれず、ただスマホを見たり、ベッドでうつらうつらしているうちに1日が終わり、罪悪感にかられることも多くあります。
あまりの生産性のなさに「わたしこんなんでいいのかな」「この先、情熱を燃やせる何かに出会えるのかな」「また最前線で仕事できるようになるのかな」と自問しては涙することも。
乳がんのこと
罹患したことで、母として、妻として、社会人として、女性として、すべての面でままならないことが増えました。無力さを日々痛感しています。
(ちなみにさまざまなSNSで、罹患後も前向きな情報発信をしている方を拝見することがありますが、その元気さ・ポジティブさ・パワフルさに感嘆する日々です。
めちゃくちゃ元気を頂いていますが、しゃもは手術前後は凹んでメンタル豆腐だったし、化学療法中は副作用で全然行動したくなかったのにスゴイ… と尊敬しかない)
またこれから一生、再発や転移の可能性を抱えて生きていかねばなりません。がんと自分を切り離して考えることは、もう、ないんだろうな、と思います。現在はステージ2aですが、もし化学療法に効果がなかったら、もし遠隔転移していたら、ステージが確実に進みます。
しゃもよりもステージが深かったりさまざまな症状と戦っておられたりするサバイバーの皆様がいらっしゃるのに、こういうことを記すのは気が引けますが、やっぱり進行したり、生存率が下がるのは恐怖です…。わたしはまだ生きていたい。
死を身近に体験したことで改めて命の尊さを感じ、長生きしたい、死にたくない、と日々考えるようになりました。同時に人生を後悔なく生きるために「好きなことをしよう」「周囲の目を気にするのはやめよう」といった死生観を、新たに持つようになりました。
「癌の需要プロセス」とともにゆっくり進んでいこう
引用:広島大学大学院教育学研究科 渡邊照美 • 岡本祐子/家族心理学研究 第17巻 第 2号 83~96「ガンに直面した患者がたどる受容プロセスに関する研究ーケアの視点から 一」
広島大学大学院教育学研究科 渡邊照美氏• 岡本祐子氏によると、ガンに直面した患者がたどる受容プロセスに関する研究では、ガン罹患後の感情は「衝撃⇒抵抗(否認・怒り)⇒不安・恐怖⇒抑うつ⇒感謝⇒受容(知的受容/共存/体得的受容)⇒昇華⇒希望」と推移するそうです。
ちなみによく見られる「癌の需要の5段階」では、がんの告知後、ひとは「1.否認⇒2.怒り⇒3.取引⇒4.抑うつ⇒5.受容」の5つの段階を経て、心を変化させていくそうです。
悪い知らせを伝えられた場合の人間共通の心理反応とその時間的な変化を、キュブラー・ロスという米国の精神科医は、名著『死ぬ瞬間』に示しました。これによると、がんの告知後に我々の心は、1.否認⇒2.怒り⇒3.取引⇒4.抑うつ⇒5.受容の5つの段階を典型的な場合に辿るようです。
また、心の変化はだいたい2週間くらいで収束されていくといわれてもいるそう。
大体二週間以内に、こういう心の動きがあります。心が揺れ動いて、二週間たつころには、まあ、頑張ろうかなという気持ちになれる方が多いのですが、そのまま、二週間の間、誰にも相談できないとか、更に悪い情報をインターネット上で仕入れたりすると、これが長引いていってしまって、なかなか受け容れができなくなってしまう。
しゃもは告知を受けて7カ月ですが、「不安・恐怖⇒抑うつ⇒感謝⇒受容⇒昇華(⇒希望)」をいったりきたりしている気がしています。特に「不安・恐怖⇒抑うつ」あたり…。
けれど治療が一つずつ進み、状況が変わるたびにきっと前に進んでいることを感じ、感謝し、歩んでいくんだろうなとも思っています。あとの人生を不安なまま過ごしたくはないですものね。
しゃもはこのブログという場所があるので、心の動きや需要のプロセスをブログとともにたどることで、自分の道筋を残しながら、情報をお探しのどなたかの一助を目指していきたいと思います。
この記事を読んでくださった方の苦しさが少しでも楽になりますように。
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お読みいただき、ありがとうございました!
さて、当ブログでは、乳がんになってからの出来事や、入院・手術・治療の体験談を綴っています。最近では、女性の方はもちろん、男性でも乳がんの方が増えているそう。予防としてもぜひ当ブログをご参考いただけるとと思います。
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